名古屋市立大学整形外科 - Department of Orthopaedic Surgery Nagoya City University Medical School.

医局運営の方針

自由闊達な医局創り日本脊椎脊髄病学会誌13巻4号の巻頭言に寄稿

名古屋市立大学大学院医学研究科整形外科学分野
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 名古屋市立大学に赴任し,2022年2月で丸3年になります.幸い,2021年4月には新入医局員を11名迎えることができ,11名中4名が女性になりましたので,医局にも女性部屋が必要と考え,有名デザイナーにお願いして,医局内に女性談話室を作りました.医局の部屋とは思えないなかなか洒落たお部屋に仕上がっており,女性入局者がさらに増えそうな予感です.さらに我々は,名市大整形外科をアピールするため,医局廊下を大胆に改装しました.1つは大きな看板の設置,そしてデジタルサイネージの設置,さらには関連病院地図のラッピングです.看板は,名市大病院で膝手術を受けた社長さんが寄贈してくださいました.なかなかの迫力ある巨大看板です.デジタルサイネージでは,名市大整形外科をアピールする動画を常時放映しています.動画は医局員が作ってくれたものを医局秘書さんが定期的に新しいものにアップしてくれています.さらに,廊下壁の配電盤の扉に我々の関連病院一覧をラッピングしました.これもデザイナーにお願いして,いわゆるバス車体や飛行機機体のラッピングと同じ要領でラッピングして頂きました.名市大整形の関連病院はここにあるんだ!と一目でわかるような掲示になっています.看板,デジタルサイネージ,ラッピング,どれをとっても他の医局の廊下ではなかなかお目にかかることのないもので,名市大整形医局の目玉になっています.
さて,振り返るとこの3年,私は医局員が楽しく幸せに暮らしていける医局づくりを目指してきました.その1つが"自由な医局"です.まず,入局して最初の2年間は行きたい病院を各自が自由に選べるようにしました.入局して2年間は希望通りの病院で働くことができます.その後は,同期全員が一緒に1年間大学病院で働くことにしました.同期で,苦労を共にして助け合ってやっていく事が将来にわたって大切だと思っています.そして,もちろん自分の専門分野も自由に選択できます(私の前任地では教授が各医局員の専門分野を決めていました).また,国内・海外留学も医局のサポートの上で自由にできるようにしました.留学は"いつ でも!どこでも!いつまでも!自由"をモットーにしています.さらに,医局の飲み会は自由参加にしました.酒が苦手な先生もいるでしょう.家族で食事したい先生もいるでしょう.学位のために研究し論文を書きたい先生もいるかも?しれません.そして,遅れての参加や途中退席も自由にしました.
もう1つが"転居の心配のない医局"です.今の時代,遠方への強制転勤はもう時代遅れと考え,全ての関連病院が名古屋市内から通勤圏内になるように遠方の関連病院を手放しました.ちょうどコロナで県外移動が自由にできなくなりましたし,近い将来に南海トラフ地震発生も予想されます.このような状況下で単身赴任は酷だと思いました.何と言っても家族が一緒に居ることが大切ですし,いざという時には名市大整形の全関連病院が近くにあって協力できる体制にあることも重要です.また,核家族化が進み,兄弟姉妹が少なくなり,親の面倒を見ることができる子供が激減してきています.そのような中,医局の事情で親元を離れ遠方の病院に転勤させられるような事は今の時代にそぐわないと考えました.
私が理想とする医局は『家族のような医局』です.そして,私自身は『日本一威厳のない教授』を心掛けています.医局員が自由に意見を述べ合い,私はそれをおおらかに受け入れる.まさに『自由闊達な』名市大整形を目指します.これからも皆様のご指導ご鞭撻を何卒宜しくお願い申し上げます.

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