疾患紹介
脊椎グループ
① 腫瘍脊椎骨全摘術(TES):
原発性,および転移性脊椎腫瘍に対して,腫瘍切除により生命予後の延長が望める場合や麻痺の改善により日常生活の改善が期待できる場合に行っている最先端治療です.手術手技の改善,術前の塞栓術などにより出血は少なくなり,現在ではほとんど輸血なく手術ができるようになりました.切除範囲は最大3椎体の全摘術が可能です.転移性腫瘍としてのよい適応には腎がん,甲状腺がんがあげられます.
3椎体TES術後
② 成人脊柱変形:
立っていられない,狭窄症を合併して下肢痛と腰痛がひどい,後弯でお腹がつかえている,側弯のために肋骨が骨盤に当たっていたいなど脊柱変形に対して手術を行っております.
成人脊柱変形
③ 圧迫骨折に関して椎体形成,BKP(balloon kyphoplasty):
骨粗しょう症患者の増加により椎体圧迫骨折が増加しています.保存治療で疼痛が続く場合は骨の中にセメントを入れる椎体形成術を行っています.
BKP術後
④ 頸椎ヘルニアに対して頚椎人工椎間板,頚椎前方固定
頸椎疾患に対しては頸椎椎弓形成術による後方からの手術が多く行われていますが,椎間板膨隆,ヘルニア,骨棘,または後縦靭帯骨化症による前方からの圧迫要素が強い場合は当院では前方手術も積極的に行っております.
頸椎前方除圧固定術
頸椎人工椎間板
⑤ 環軸椎亜脱臼
リウマチ患者様に多くみられますが環軸関節亜脱臼に対してC1-2固定という最小限の固定方法での治療を行っています.広範囲に固定することなく術後の可動域制限をなるべく少なくして手術を行っています.
環軸椎亜脱臼